2015/06/27

「シェルブールの雨傘」  豊かな色彩と歌と音楽の柔らかなマッチング

 
 
 
 
 
セッションで集中していますと、
その反動なのか、
現実界へのグランディングをとても欲することがあります。

(この場合のグランディングは、
瞑想に安全に集中するためのプロセスとして、シンボルやイメージで行うものとは違い、
地球界や人間界のものに、(人間として(←笑))
直接接し触れたいタイプのものです。)


ガーデニングや
自然を普段より一層感じられる場所に旅行をしたり、
花や木々の多い場所で散歩をしたりするのも、その内ですが、

私の場合は、
人の心と手で作られた芸術に無性に触れたくなることが多いです。


工芸展や美術展で、惹かれるものがあったり、
音楽会やバレー等の公演チケットが用意できていれば良し、

けれど
そうでない場合、

自宅でいつでも見られる映像DVDは
このような際に手軽に一役買ってくれます。



ということで
今回はフランス映画。




~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~~




「シェルブールの雨傘」


私はあいにく観たことがなかったのですが、
往年の映画ファンなら知らない人は居ないだろうと思われるほど、
有名どころですね~。
主演が、一時代のフランスを代表する美人女優さんということもあってか?
フランス映画を代表する名作の一つとさえ言われる所以は、どんなものか先ずは見聞ということで。






あら筋だけを見ると
(私感では)よく有りがちなラブストーリーに思え、
平凡な感も無いわけではありませんが、
映画創りとしては、当時さぞ画期的であっただろうということは、
実際観てみると、十分判る気がしました。



セリフのすべてが歌というオペラ仕立てになっていたのですね。
 (知りませんでした。)
歌は全吹き替えで、役者さんと声が違います。


そのせいか、セリフから(時には邪魔にもなる)リアリティや棘が抜け、
ソフトで、やや哀感のある、歌とバック音楽が織り成す詩情が、全編を貫く格好になっています。


歌は、シンプルに、元々のセリフにメロディが付いているだけで、
無駄がなく、判りやすく、聞きやすく、
そして歌い手は声楽のプロ歌手さん達ではないでしょうか?発声も心地良いです。




そしてこの映画を観ながら、次第に目を見張り、観返すことになったのは
色彩の使い方、
その美しさでした。


画面のすべてに
計算しつくされたような色彩構成が成されています。


室内のカーテン、壁紙、置かれた小物、
外の通りの様子や建物の色、窓から見える景色、人物の衣装、髪飾り、犬の毛の色までが
限りなく黄金比に近い色彩構成がされていて、


目に心地良い色彩世界が、
映画冒頭から最後の場面まで、
適度なスピード感でよどみなく展開されてゆきます。


これは、なかなかのものではないだろうか。



カメラが動き、
動いている間もまた動いた先も、何ら崩れない色彩構成が展開されてゆくというのは、
映画ではあまり見かけないアプローチに思えました。




一つ一つの画面すべてが、まるで印象派の油彩画を観るようで、
さすがフランス、というべきか、
豊潤な芸術的香気さえ漂う感もあります。

(色使いは鮮やかであっても、けばけばしさは皆無で、
むしろ上品でもあり、この辺もフランス的なのでしょうか。)



オレンジや赤、ピンクと言った鮮やかな色彩、
茶系のくすんだトーン、優しさや清澄さを感じさせるソフトホワイトトーン等、
シーンに応じ、色彩の展開は次々変わり、観る側を飽きさせません。




歌とバック音楽の魅力&色彩の美しさで、(当然、役者さんも名うての美女美男?揃い)
あらすじが判っていても、もう一度観たいと思わせる要素は確かにあり、


好き嫌いはあっても、
フランス映画の代表的名作のひとつとされる所以、なるほどと合点が出来る気がしました。







(雑余談ですが、
途中カーニバルの場面、
室内では主演母娘が悩ましい問題で、しっとり会話している窓の外で、
エキストラ?カーニバル衣装の集団が
はしゃぎながら同じ場所を行ったり来たりしているのですが、
場面が長く、外のお祭り演技チームは、終いには、もうやけのやんぱち的に走り回っているのが面白かった。
撮影中、いつまで走らせるんだ!と、彼らが言い出したかどうかは不明ですが。(笑))






最近「午前10時の映画祭」という映画イベント?で
各地でリバイバル上映されたようですね。


私はDVDで満足ですが、映画館の大きなスクリーンで観たなら、また違う印象になったかもしれませんね。







以上、
今日は就寝前のひと時に観た映画の感想でした。






















映画
2013/05/30

映画 「天井桟敷の人々」

 
 
パリ・オペラ座バレエ「天井桟敷の人々」の余韻の残る中
映画DVDも買って見ました。


オシャレな映画ですね。フランスらしい?
何も言うことなし。
(シビアに言うなら、突っ込みどころは多々あるものの。下に少々だけ記載。)


30何年ぐらい前、テレビでみたけれど、印象が薄かった。
ちゃんと見てなかったのでしょうね。
(確か家族と一緒で、なんだかバタバタしていたような・・・・・記憶もおぼろげ。)


パリ・オペラ座バレエの感動が先となり、
改めて映画を見てみると、
この映画が長年にわたり高い評価を受け続け、
フランスの文化的遺産とも言われるようになった理由が判る気がしました。



こういう映画が戦時中に創られていたということ・・・・・・・、
その点も凄いかな、と。


アマゾンで送料なしのワンコインです。
買いです。何時買うの、今でしょと言いたくなります。

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価格お高い版も有り。

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ちょこっと追記


この映画は、
ガランスという女性の人物表現からして、謎めいています。
他にも謎めいた点は多く、


シビアに固く考えたなら、
筋書きや、
登場人物が人間としてどうなの?と言う点など
突っ込みどころは多くあります。
(なので、昔テレビでみた際に家族にも若すぎた私にも受けなかった訳は判る気もします。)


が、改めて見直してみると
そういう謎は包み込んで
最後には(見終わったあとには)、

映画の中のいろいろな矛盾はどうでもよくなり
芸術に乾杯!
芸術創造への人間の思いに乾杯!
人間に乾杯!


そんな気もしてくる・・・・・・どこか不思議で、
なぜか魅力のある・・・・・ 映画でした。















映画
2012/10/19

映画「二十四の瞳」 & 「喜びも悲しみも幾歳月」

 
 
 

暑さからやっと解放されて
陽射しも心地良く感じられる秋のひと時
皆様はいかがお過ごしですか?

北海道の友人宅ではもうストーブを点灯したそうですが、
本州の方でも、これからは駆け足で冬支度ですね。



今日は映画の話題です。



~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~



日本が壊れてゆく・・・・・・・・そんな気がして
日本を感じたい、日本を見たい・・・・・・、そんな気分で
古い日本映画DVDをチョイスし始めたのは昨年2月からでした。

奇しくも震災の少し前からで、

このタイミングは何か虫の知らせなのでしょかね~????。

当時は震災ショックで固まってしまって、映画の話題は封印となりました。

なので、今頃ながらの、ご紹介。
と言っても、今回ご紹介しますのは、最近の購入版です。^^




映画はまさにタイムカプセルです。
映画の撮られた年代の時代背景、景色、人々の生活感や時代思想までが、”純生”で、封じ込められている気がします。




こういう映画で泣く気はなかったのですが、
(もっとも、映画を観るのに泣く泣かないを予定して観る訳ではないですが。^^)
最後の場面で不覚にもバシッと涙が噴きこぼれてしまいました。
涙の出方もいろいろですね。(笑)
この場合、バシッという感じだったのでした。(爆)
 バシッとはどういう感じ?、ま、ご想像にお任せしますね。



二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]
(2007/06/27)
高峰秀子、月丘夢路 他

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この映画については、きっと皆様もご存知でしょう。
少しだけ説明しますと、明治の女流小説家、壺井栄の小説「24の瞳」が映画化されたもので、
昭和初期から終戦後までの時代を背景に、若い女性教師と教え子の心の触れ合いを軸に、
この時代の貧しさや政治(戦争)に翻弄されてゆく庶民の暮らしを描いた国民的名作映画です。
54年の封切り、白黒です。
DVDには字幕が付いています。

随所で歌われ流れる唱歌が、心に心地よく響き、
小豆島の風景も美しく
全編が抒情的でナチュラルに描かれていて、
このナチュラルさが味噌で、泣ける”元”かも?

リメイクもされているそうですが、
54年度版が、何と言っても物語のその時代が生で感じられるという点で、良いのでは?

実は私は、この名作映画をリメイクも含めて一度も観たことがなかったのです。
一度は観たいと思いつつ、ちっとも機会がなくて、なので、
思い残すことがないように ( ← ちと大げさかしら?*^_^*) という訳ではないのですが、
一回は観ておこうと、とうとう購入。

そして観た訳です。
もう駄目ってぐらいに、優しく惹き込まれましたよ。優しくです。
男性的なハードな惹きこみ方ではないという点が、なかなか見逃せません。

飽き飽きするまで繰り返しリピートしてしまいました。
挙句には友人にも半ば強制的に貸して、見せまくり・・・・・・。(爆)


現代人にこそ観てほしいと思える要素の多分にある映画かと。
日本人はこうやって、貧しさを踏み越え、頑張ってきたのだなと、しみじみ思えたり・・・・。

貧しくて学校には行かれない、小学を卒業したら働くのが当然・・・・・、
それは日本の近過去の姿なのです。
今、どれほど(虚像?の)プチリッチさに、(私たち現代人は)甘えていることでしょうか。

日本の歴史をきちんと認識するうえでも、こうした古い映画は貴重な歴史的資料の一つとなり得るのではないでしょうか?
日本の庶民の視点がどんな風であったのか等、映画から漏れ聞こえてくる”時代の声”というようなものが、そこかしこに有るのではないでしょうか?

出来ればカットなしで永久保存して欲しい映画と思えました。






そして、こちら↓も、爽やかな感動の余韻が長く残る名作ですね。

喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]喜びも悲しみも幾歳月 [DVD]
(2006/06/24)
高峰秀子、佐田啓二 他

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厳しい労苦を伴う灯台守りと言う職務を勤めながら、
平凡に慎ましく夫婦愛を刻んでゆく夫婦、そして家族をテーマにしたヒューマンドラマです。
馬ぞりの様子や、産婆さんが間に合わず夫が手ぬぐい鉢巻きで産まれる赤ちゃんを取り上げる場面など、
興味深い場面は随所で多いのですが、何より、生きるということ、それ自体が労苦であっただろう時代に、懸命に、自分の持ち分の中で幸せを見つけ出しながら、生きようとしている人々の姿、その心に、胸を打たれます。

この映画が封切りされたのは57年だそうです。
当時、東京や空襲の被害の大きかった都市や地域では、焼け野原から完全に立ち直った訳ではなく、
家もなく職もなく食べるものもなく餓死する人たちも、まだまだ多かったと聞きます。
その当時、この映画がどれほどの感動を人々にもたらしたのか、想像に難くない気がします。

主演の夫婦役を演じる二人の役者さんの自然感のある好演が光ります。






長くなりますので、今日はこの2本のご紹介だけにしますね。
両方、お気づきかしら? 高峰秀子さん主演です。
この方は私の大好きな女優さんでした。

一昨年の年末に86歳で亡くなられていますね。
ご冥福をお祈り申し上げます。






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さて、短い秋の、一時の穏やかなお日和。
皆様良い休日をお過ごしくださいね。














映画
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